マーケットイン

商品開発はマーケットイン思考かプロダクトアウト思考どちらがよいのか?

日々、首都圏駅ナカお土産市場で商売を実践し、マーケティングをおこない、全国の様々な商品を駅ナカに進出させている村上です。

早速、表題の「商品開発はマーケットイン思考かプロダクトアウト思考どちらがよいのか?」についてですが、今の時代においてはどちらかの思考だけではいい商品は作れません!

マーケティングを関わる業務をされている方であれば、この言葉の意味は理解されているかと思います。一応簡単に説明しますと、「プロダクトアウト」とは、商品開発を実施する側の都合(生産能力、技術力、意向など)を優先させて良いものをつくり市場に導入しようという考え方、一方「マーケットイン」とは買い手側(消費者)のニーズを調査し、世の中が求めているものを商品化して提供していくことです。

 

 

昔は、”創ればなんでも売れる時代”だったのが、その後はマーケットイン思考で顧客のニーズをくみ取り商品を作っていくのだ!と、コンサルタントが口そろえて言われる時代に入り、そして今は消費者のニーズは細分化され、世の中には十分に便利なものや美味しいものが溢れかえっており個人個人が自分に合ったものを好きなものを選ぶ状況です。

つまり、重要なのはあなたの商品を選んでもらわないといけないということ。

それには、選ばれる理由が必要です。

それが【価値】です

その価値をしっかり認識して生み出すためには、どちらかの思考に偏るだけではあまりにも不十分すぎるため、結局のところバランスだと思います。

プロダクトアウトで創ってしまう場合の落とし穴

営業部と商品開発部が密にコミュニケーションを取らずに創ってしまうケースが良くあります。もっとえば、その営業部も直営店などを持っていない事業者であればB2B営業で相手は卸先の企業に対する営業となりますよね。

そうなれば末端消費者のことをあまり考えずにまずは自社で作れる自分たちがイイと思う商品を作ってしまい、出来上がった商品をさてどこで販売しようか、と考える営業にう移るという順番になる。

実際に、生産者のかたと商談をしていると、これらのケースが結構多いのが事実。

「こんな商品を作りました!●●にこだわっていて、●●を使用しております。どこかで販売をしてもらえませんでしょうか!」という感じです。

完全にマーケットのことが抜け落ちている。

前述したように、昔は作れば売れた。しかしいまはモノが溢れかえっておりますから残念ながら作れば売れるというものではありません。

マーケットインの視点で初めは考えてみよう

別に、プロダクトアウトの視点からでもどちらでもいいのですが、最終的に選ばれる価値を具現化さえできて消費者の支持を得られる企画になれば考えの起点はどちらでも私はいいと思います。

ただ、駅ナカのお土産市場ということで考えると、どんな人たちに、どんなタイミングで、どんな利用シーンで、どのくらいの価格帯でその商品を買ってもらいたいかをよく考え抜くことがまず最初である。

 

この最初のステップが抜けると、自社の作れる(作りたい)商品を作り、製造原価(原料と包装資材など)+販管費+自社利益=販売売価 というよに積み上げ方式で最終的に価格が決まる。

いざ商品を見てみると、価格と内容が合わない商品が出来上がってしまう。このような商品を我々はたくさん提案をもらうが、無理やり展開しても初めだけは売れても続かない。

先ほど記述したように最初のステップが本当に重要であり、どのマーケットで勝負するのかを設定することが本当に重要です。

もちろん、商品開発の過程でプロダクトアウト思考もはいります。自社の強みを活かして我々ができる”新たな価値”を生みだしていかなければならないのですから。

 

iPhoneはプロダクトアウト思考?

よく例で言われるのが「iPhone」は完全なプロダクトアウト思考で作られたものだという記事があります。

本当にそうでしょうか?プロダクトアウト思考のみというのは市場のニーズを鑑みないものです。つまり、大博打みたいなものです。

そんなわけはなく、私が思うにものすごくマーケティングされた企画製品です。
顧客のニーズには2種類あります。

①顕在ニーズ
②潜在ニーズ

人々に聞いて答えが返ってくるのは顕在ニーズです。当時、「電話だけでなく手のひらサイズのものにパーソナルコンピューター並みのハイスペック技術を搭載した端末が欲しいんだよなー!」と答えてくれると思いますか?!

顧客も気づいていないニーズが潜在ニーズであり、ここを掘り起こすような企画が出せれば勝ちです。アンケート調査なんてものは潜在ニーズの一部のすくいあげみたいなレベルです。

「こんなのあったらきっと便利だろう」と潜在ニーズを探ることが重要。

電車の改札は切符券売機で切符を買って通るのが当たり前であった時代、ピッとかざしてノンストップで入るカードがほしい!なんてなかなか聞いても出てきません。

 

とはいえ結局はテストマーケティングが重要

さて、両方の思考方法から商品を作ったとしても、仮説は仮説であり実際に世の中にリリースしてみないとわからないことはたくさんあります。

ものすごく製造ロットが大きく、原価もとても高いものであれば外した時の損失(不良在庫なども)があまりにも大きく中小企業では耐えられません。

幸いなことに、駅ナカを狙うお土産(菓子関連)であれば、テスト的にロットを小さくすることも可能なカテゴリーである。

一発で味、デザイン、内容量、価格帯、狙う層がハマることは難しいです(当たることもありますが)。

リスクを最小限にして、実際に全く同じ市場の駅ナカでテスト販売をすることを強くお勧めします。販売カ所が変われば、客層も変わり、利用シーンも変わるため分析し難く同じ市場が必ず良い。

とはいえ、東京に会社を構えていらっしゃらない場合、場所を見つけて交渉して、売場デザインをして、什器をレンタルして販売スタッフを東京に送り出し、設営して実際に売って、……コストも莫大にかかりますし、そもそも実現までこぎつけることができず諦めるしかありません。

実際にその支援をするのが我々でもありますので、この市場に興味がある場合はお声がけいただければと思います。様々な企業様からいろんなオーダーがあり、すべての御依頼を受けることは出来かねますが、企画段階から一緒に組めるようでしたら面白いのではと思います。

 

 

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